三年目のコロナ師走。ワクチンにインフルエンザ、マスクに手洗い、外出時と毎夜のアルコール消毒。お陰で、まずまず達者。ありがたいこった。年末の打上げ、全国旅行支援を活用して二つの旅行を手配した。土佐の高知、みちのく秋田。さて、どんな風景が寒さの先にあるんだろう。
12月6日、先ずは土佐の高知市。JALとホテルの2泊3日、旅行割でめっぽうお得。過去二回お遍路ツアーで入ったが文字通りの駆け足、今回は落ち着いて個人で巡る段取り。昼に高知着、ホテルに荷を預けて速攻で観光客に変身。自分と違わぬ年齢のボランティアの説明を受けながら高知城をたっぷり1時間、観て回る。歴史音痴、勉強嫌いが今さら悔やまれる。そしてお決まりのコース、近くのひろめ市場をかるく覗いた。カツオは今夜が本番、それまで身を清めて胃袋と喉仏のコンディションを万全にしてキックオフを待とう。
やる事は子供じみても肉体はそれ相応、カツオで定量を流して早目にホテルのベッドに沈没。深夜のW杯ベスト8、クロアチア戦が気になる。翌日は無料の二文字に惹かれてレンタサイクルを借りる。高知駅から雪蹊寺、桂浜、竹林寺と浦戸湾一周コースに挑んだ。今流行りのバッテリー駆動のチャリ、いいぞその調子だ。33番札所・雪蹊寺で般若心経を唱えて自身と家族、日本と世界、宇宙の安寧を50円玉に託した。通りがかりの桂浜を軽く冷やかして浦戸橋、風が強いし膝に泣きが入った。この際、山の上の竹林寺は断念して駅へ直帰。余った時間は散髪、お茶を引く寂れた店。変なカットにされたが夜の情報を得て、おびや小路「湯里」のカウンターに座る。某役場で職場結婚、旦那はすでに他界。相続で得たこの店を一人で切り盛り、この日は出張客2人と女将を交えて4人でアレコレの一時を送った。
そして次週15日、強力な年末寒波が降りる中、みちのく大曲(大仙市)&秋田へ。「eチケット」利用により初の秋田新幹線「こまち」は、マイナポイントの一部6,000ポイントで往復できるチャンスに恵まれた。今回も旅行割でホテルも安く、更に一泊当たり3,000円のクーポン付と結構毛だらけ2泊3日だ。前日、積雪による停電とかで秋田新幹線は5時余の運行停止。今日は予定どおり大曲駅に着いてホッ。予約したホテルは白銀を踏み分け駅から10分弱、ショーワ感たっぷりだった。いざ夜、目星を付けた店には袖、看板で決めた「びんずる」に落ち着く。刺身盛合せにビールと「刈穂」を合わせる。過去、呑むとお前は「馬と鹿になる」との流言飛語があったのも事実。しかし今は年齢を考慮、早っ尻と決めている。
突然だが、大曲にも「遊郭」があった。その面影は今はないけれど、歴史はちゃんと刻まれていた。長らく手が入っていない料亭跡、夢が絶たれた路地のお寺。新雪がすべてを隠しているようだ。地元産米を丸子川〜雄物川の水運で秋田から北前船で若狭方面へ。それで財を成した商人もあり、花柳界が各地に形成されていった。そうした場所は高知駅から離れた場所にも有った。女性差別の四文字で「男」を切り刻むだけでなく、貧しさから炙られた史実も汲んで欲しい。
翌日は足元を気にしながら雪と風花舞う中、鈍行で秋田駅に動く。昼はツルツルの稲庭うどんで満足。雪が落ち着くのを待って、今宵は秋田最大の歓楽街・川反(かわばた)のネオンに染まる。飲食街の奥に不思議な磁力を放つ「江戸中」がある。おでんと焼鳥それに高清水だけの潔いメニュー。カウンター隣は県内どこぞの市議会事務局の苦労人と察したが、ひとり呑みは余計な詮索に走るもんだと反省。ここのおでん三品、熱燗が五臓六腑に沁みたね。うぃっ!
念のため、追記。昼間はちゃんと「猫に小判、豚に真珠」を実践しているんだぜ。その証、県立美術館での「岸田劉生」と「藤田嗣治」をバッチシ拝んだが何が凄いんだか消化不良、でも凄いんだろう…。
で、秋田土産はお約束のきりたんぽ、地元銘菓などをクーポンでゲット。一旦、大曲に戻ってから秋田新幹線に乗車、盛岡、仙台、大宮、上野とレールに揺られた。旅行に出られない人には申し訳ないけれど旅行割、クーポンはマジで有り難い。コロナで沈んだ地域経済活性化だけど、でもなその財源は税金や今後の国民負担だよな…。人生100年、年金や医療費、認知症に介護。もう直に、自分に当てはまるぞ! くわばらくわばら…合掌。
旅行期間 : 2022年12月6〜8 日(高知市)、同年12月15日〜17日(大仙市・秋田市)