五日目の朝、雨の心配がすっかり消えた。恵の雨も行動には足かせ、怪我の危険要素だ。予報では向こう四日間、傘の心配は無さそうだ。嬉しい、ありがたい。
今日は長丁場、高知県土佐市から足摺岬、宿毛市を経由して愛媛県宇和島市まで走る。従って四ヶ寺しか周ることが出来ないのだ。
昨日の打ち上げ寺、三六番の青龍寺の階段は有名な関取のトレーニング場所だった。それにより横綱、朝青龍が生まれたのだとか。

さて三七番が打ち始め。ズズズイーっと走って四国最南端の足摺岬で昼メシ。思い出に、中浜(ジョン)万次郎の像を背にパチリ。太平洋を望み、絶景かな絶景かな〜。
四十番は愛媛県に入る。今夜は宇和島市内のホテル泊。あの酒場放浪記の吉田さんもこの街を訪れていた。夕飯を中座して、その「一福」を訪ねたがガ〜ン、すでに閉まっていた。やはりこの世界、浮き沈みが激しいんだな。
で、ホテルで聞いた「光月」に進路を変更。客は自分一人で、大将と向き合うこと一時間。煮込をビールと焼酎のお湯割で流す。バブルの頃まで新橋駅烏森口界隈に居たという大将。会話の途切れを村田英雄の唄が埋めてくれた。

油代高騰と魚獲減少で不振が続いている。漁師御殿や一晩ん十万円の豪遊はすでに夢物語。疲弊した「地方」が日本列島に蔓延している。「東京」だけが一人勝ちの現実を肌身で知る結果の夜だった。