健康にまさる宝なし。早いもので一年があっと言う間に過ぎていった。生きることの意味と目標を探し続けた青春期、時間の流れをねっとり遅く感じていたものだった。しかし今は一週間、一年があっと言う間だ。これは加齢の証しなのだろうかー。
ってな訳で、年末年始は台湾旅行に決めた。幸い破格の航空券に恵まれ楽チンかつリッチに羽田空港から台北松山空港に飛んだ。まず地下鉄で台北駅へ移動してネット予約していた新幹線切符を受け取る。外国人は二割引、これを利用しない手はない。写真の「福」は地下鉄のつり革、おにぎりの中身は「ツナマヨ」だった。
ズバリ今回は温泉目当て。その目的地は台北駅隣接のバスターミナルから一時間の「礁渓温泉」だ。「台北ナビ」経由で予約した宿は鉄道駅からも五分、街の真ん中。年季がいったホテルだが一階にはスタバやファミマなどが入り、しかも部屋は驚きのキングサイズベットが二つ、大人二人がゆっくり浸かれるデカイ風呂まで備わっている。内装は綺麗だし、ありがたい。
さて、初日の晩飯は地元食堂、辣醬麵と魚丸麵に空芯菜をいただいた。百五元(四百円でお釣り)、安っ!あいにくこの手の食堂にはビールは置いてないのだ。
翌日のお楽しみ、それは「温泉魚」。論より証拠、写真をご覧あれ。自分の足に鈴なりになった小金魚たちを水槽真横から改めて見ると可哀想な気もする。だって俺って水虫なんだぞ。ザラザラのお足もほれ、ツルツルになりましたとさ。八十元。金魚も翌日には浮いてるのかな?
で、晩飯前のお楽しみがマッサージ。足裏と肩で五十分、五百元のコースをお願いした。日頃の勤労や長男跡取りの気疲れだろうか、足裏ゴリゴリには図らずも「イテテ」を連発。一方のツレは「それほど」と涼しい顔。やはり原因は不摂生かな?そしてディナー、今夜こそ酒を避けて通る訳には参るまい。ホテルで教えてもらった店では空芯菜、エビ炒、炒飯の三品にビール二本を倒した。食材の新鮮さにあまり油を感じさせない調理と味付けは絶品、「うめ〜、ハオチ〜」。五百三十元也でした。
霧雨の中、バスターミナルまで歩いて五分。今日は再び台北へ移動し、新幹線で高雄に向かう。
新幹線はやはり速い、快適だ。高雄まで一時間半余。大晦日、一年の最後は奮発して敷居の高い宿「ハワードプラザ」。十八階からの眺めも流石だ。
お約束の夜市「六合」。臭豆腐、奇怪な海産物、彩りスイーツ屋台などが次々現れ飽きることがない。カオスな雰囲気こそ自分にとって最高のパワースポットだからー。そして日本に居たら絶対縁のない「紅白」を暇つぶしがてら観る。並行して自宅のテレビチューナーにネット接続、民放もだらだら観て回った。
二、三回訪れている高雄。しかし有名な「蓮池潭」はまだ行ったことがなかった。幸運の龍の口から入り邪悪な虎の口から出る「龍虎塔」、隣接する寺院に初詣して家族の健康安全を神々に請うた。
二時前の新幹線で高雄から台北。今夜のホテルは日本人ツアー客も多い「六福客棧」。ここを予約したのは是非、行きたい店が近くに有るからだ。あちこちの雑誌に掲載されてこの夜もズラリ空席待ち。その混雑を尻目に来店二回目の自分は店先の「特等席」に陣取り、待つこともなくビールと料理をいただく。歩道上に設えた仮設テーブル席はサイコー。ウィ。
二日、台北の街はゆっくり月曜日がスタートした。ホテル路地裏には庶民の暮らしが見えた。用品雑貨や食料品を売る地元商店が並ぶ中、「四面佛」なる社を発見。もちろんガッツリ手を合わせ、大盛りのお願い事を託した。
十二時、ホテルを出る。帰国のフライトまで時間があるので、改めて四面佛の「求生意」「祈愛情」「盼発財」「保平安」それぞれに線香を手向ける。近くで味が染みた煮豚が「おいで」と手招きするがここは空港まで我慢。タクシーで十分程の松山空港、焼売と饅頭で卑しい胃袋を黙らせた後、羽田空港向けて搭乗する。三時間のフライトは和食を白ワインで流し、併せて来月訪問予定の与那国島を舞台にした「Dr.コトー」を観て過ごす。
旅行期間:2016年12月29日〜2017月1月2日