全州ビビンパを喰らう

何年ぶりかの韓国。頂いた航空券で全州とソウルを巡った。沖縄よりも近い韓国、パスポートとハングルを以外は国内旅行気分。目的はビビンパ、韓屋村、市場それにパンソリ。羽田から、久しぶりに降り立った金浦空港。ここから高速バスで全州へ一気に入る目算が外れました。韓国の休日で16時台まで空席がないと来たもんだ。仕方なくソウル中心部へ移動、KTX韓国新幹線に望みを託し龍山駅窓口で「全州往き1枚」と筆談、手にできた切符3,900円がこれ。ありがたい現地に16時前に着けるぞ。到着駅から旧市街の予約したホテルまでタクシーで約1,100円。2泊する「アライブ全州」はランドマーク豊南門や南部市場近く、シャワー&トイレ付き小綺麗な宿・食事なし一泊約7,000円。確かに昔ながらの韓屋住居のゲストハウスも魅力だが使い勝手を優先してホテル形式に落ち着きました。

そして二日目、目的のグルメ・ビビンパです。地球の歩き方にも掲載されている「ハ・スクヨン カマソッビビンパ」本店、宿から徒歩7分と近い。ここの特徴は具とご飯が別、しかも炊き立てが供される。当然ご飯が美味いし、おこげも楽しめる。韓国はどこも味噌汁が美味い。幼い頃の自家製の味噌、あの大豆の味が生きている。しかしこのおかずの種類・分量はぶったまげ。腹を空かせて行ったはずだがテーブルの「前と後』はこのざま、もうギブアップ。腹パンパン、食えません。1,700円で大満足でした。

腹を落ち着かせてから街の観光、初代王朝が祀られた慶基殿そして古都の面影が今も残る韓屋村を歩きました。ここではレンタル衣装で伝統の街を散策するのがトレンドらしく、多くの韓国人カップルが映画俳優に見えました。日本同様、都会では味わえないその国が持つ輝きは地方に有るんですね。以前に訪れた水原、そしてこの全州には朝鮮がまだまだ残っています。ぐるりぐりぐり歩き疲れるとコンビニ珈琲150円、その夜には市場そばの食堂で喉湿し。アルコールだけ頼むのも気が引けて「辛くないものを」と900円の鍋を注文したが、やっぱり辛いじゃね〜の。韓国に来るとケツの穴がヒリヒリするのはお約束かも…?!

三日目の朝、近くの広場には慰安婦像が設置され私を見つめている。以下ネットで検索してみると。「韓国内はもとより世界中に160余の像が設置されている。日本は1910年の韓日併合から1945年の日本敗戦までの35年間、朝鮮半島を植民地支配した。この間、皇民化政策により創氏改名、強制連行、徴兵などが強要された」と。さて、南部市場そばを流れる河川敷では今朝も近郊農家が野菜などを持ち寄り露店をオープンさせていた。売り子の多くはベテラン女性、おかん達のエネルギーは万国共通だなや。で、朝飯はコンビニ弁当、キムチも片隅にちょびっとならOK。これならヒリヒリしないもんね。

ソウルに戻る新幹線、自力ではこれまた取れない。宿の従業員を拝み倒して確保できたのが全州駅13時27分発、ソウル龍山駅には15時52分着のKTX。3,800円、来る時よりも停車駅が多い分時間を要す。宿は11時のチェックアウト、駅までは路線バス170円で20分程で着きました。時間潰しの駅周辺をぶらり、コンビニで海苔巻き300円(朝飯を訂正)でお昼としました。全州駅はいま周辺の再開発中、高架と併せて駅舎も改装される予定らしい。あの韓国通貨危機から27年、表向き華々しい復活を見せている経済だが内実は日本同様、通貨安で国内市場の低迷や少子化人口減など先行きが思わしくないと聞きます。

ソウルは初めての宿、ホステルなので格安と引き換えに設備はこんな感じ。本命は広蔵市場近くにあるホテルだが値段が折り合わず止む無くの選択となりました。この時期シャワーは一回で十分、トイレがあるだけマシ、ここは我慢だ。もちろん界隈は下町風情、古着を並べるバラック市場や怪しげな顔を覗かせる店もチラホラ。そんな横丁が最終夜の打ち上げ場所です。しなびた場末の大衆食堂、焼き魚のメニュー写真に惹かれてのご入店。たっぷり保存期間が経過してアンモニア臭を放つ鯖をビールと焼酎で流す、その効果で結構効きました。ウィ。4日目は帰国日、地下鉄でソウル駅そして空港線で金浦空港駅と進んで、隣接するロッテモールで韓国海苔をお買い上げ。新大久保や上野界隈で買っても、と思うけれど…。定刻で金浦から羽田へとフライト、今回も運と縁とタイミングで旅行を無事終えることが出来ました。さて、次回は何処へ? カムサハムニダ!

旅行期間:2024年5月15日〜18日